コース

市街地コースが舞台となるシンガポールGP

最高時速300kmを出せる市街地コース

2008年から開催されているシンガポールGPの舞台となるのは、公道に手を加えてレースのために用いた市街地コースです。都市の中心部に位置しているので、マーライオンを始めとした有名スポットや数々のホテルの近くを通ることになります。そのためホテルの部屋からでもレースを観戦でき、期間中はその対象となるホテル料金は数倍に跳ね上がります。全部で23のコーナーがあり、ホームストレートを超えた先の4つのカーブを使用して180度転回する形になります。そしてそこから進んだ後にある第5カーブを抜けると、最高速を叩き出せるストレートがあります。先にある直角の第7カーブとのちょうど真ん中あたりにある第6カーブ付近では、市街地コースでありながら時速300km近いスピードを出すことができます。第7カーブは格好のオーバーテイクポイントでもあるため、直線からのスピードの勢いがなくならないまま後続のドライバーは追い抜きを仕掛けます。

F1の中でも珍しいナイトレース

シンガポールGPの最大の特徴は夜に行なわれるナイトレースだということで、予選・決勝共に夜の8時以降にスタートされます。長距離を短時間で移動するドライバーの視界に対応するため、途方もない量の照明が用いられます。レースに使用される総電力数は318万ワットに及び、12基もの発電機によって賄われます。シンガポールの夜間は通常時でも明るいイルミネーションがありますが、レース中はそこにひと際目立つ光のラインが加えられることで、上空から見た場合により幻想的になります。現地時間での夜に開催される理由は、中継する際にF1の最盛地であるヨーロッパが昼となるように工夫されたからですが、ドライバーはその分時間感覚の調整に苦しめられることになります。

レース時間が長くなりやすいのが特徴

コースアウトできるマシンが効率的に減速できるエスケープゾーンが全体的に少ないため、アクシデントが起こりやすいです。そしてセーフティカーが出場しなければならない場面が非常に多いのがシンガポールGPの特徴でもあります。それに伴ってレース全体の時間が延びてしまい、2時間を超えると規定の周回数を満たしていなくても終了するというルールに基づいて、打ち切りとなったことも少なくありません。また市街地ということで凹凸が多いバンピーな路面が多く、車体が上下しやすいです。中には地面との摩擦によって後ろから火花を散らす車もあります。